家づくりをする時に悩むのが『バルコニーいる・いらない問題』ですよね。
僕はバルコニーがあるのが当たり前に考えていましたが、最近ではバルコニーレス住宅が流行っているそうです。
我が家では、夫婦でバルコニーいる・いらない論争をした結果、見事にバルコニーを勝ち取りました。


私はいらないって言ったけどね!
さて、そんな勝ち取ったバルコニーですが、一条工務店に住んで2年目の僕が、実際の使い心地や選んだ理由を紹介したいと思います。
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バルコニーの使い心地はどう?

僕が勝ち取ったバルコニーですが、2年間住んでバルコニーを使った回数は両手で数えられる程度です。
実際の使い心地ですが、『普通のバルコニー』という印象ですね。

可もなく不可もなくって感じ。
床タイルの手触りは良いので、“行きさえすれば”居心地が良いって感じかもしれません。
と言うより、2階リビングのお宅ではないと、頻繁にバルコニーに出ようという考えには至らないと思います。
これが広ーいルーフガーデンだったりしたら話は変わってきますが、4.5畳程度のバルコニーでは特にすることもありませんので…。

なんせリビングから遠いからね・・・。

だから『いらない』って言ったよね?
と、そう言われるのは予想していました。
しかし、僕が『なぜ対して使いもしないバルコニーを付けようと思ったのか』は、ちゃんと理由があるのです。
バルコニーを付けた理由は坪単価が抑えられるから!
一条工務店で契約している人はご存じだと思いますが、一条工務店のパラペットルーフとバルコニーは坪単価が1/2で採用することができます。
※玄関の上部に関しては、1階部分の施工面積分となります。

なら使わないバルコニーに実質50万近く払ったってこと!?
上記の書き方はそう捉えることもできます。
ですが、考え方を変えてみましょう。
グランスマートやアイスマートなどのツーバイフォー(2X4)工法は『枠組壁工法』と呼ばれ、耐震性に優れている代わりに、『総二階にしなければならない』というルールがあります。
「総二階」とは、1階と2階の床面積がほぼ同じで、豆腐のような形をしている2階建て住宅のことです。
外観が似通ってしまうため、個性を出すための外観テクニックが必要です。
つまり、1階部分を1坪増やしたいと思っても2階部分も1坪増えることになり、結果的に2坪増やさなければならないということです。
なので、坪単価が80万の場合、80万で済んでいたところを160万かけなければならないということになります。

それは確かに高いかも・・・。
しかし、バルコニーが坪単価1/2というルールを使うことによって、2階部分にかかる80万が40万に減額できるため、160万かかるのを120万に抑えられるというわけです。

それなら納得できる!

1階完結型の間取りはどうしても1階部分が広くなっちゃうからね。
なので我が家は、1階完結型の半平屋住宅にするため1階部分のみ大きくしたかったからバルコニーという選択をしました。
バルコニーよりパラペットルーフの方が良いのでは?

でもバルコニーを使わないならパラペットルーフの方が見た目も良くない?

意外とそういうわけにもいかないんだ。
冒頭でも記載しましたが、坪単価が1/2になるのは『パラペットルーフ』と『バルコニー』の2つ。
使わなかったり掃除の手間を考えれば、パラペットルーフの方が良いのでは?と思う人も多いと思います。
ちなみにパラペットルーブとは、以下のオレンジに塗った部分で傾斜の無い屋根です。

このパラペットルーフ、見た目としてはかなり良いのですが、結構なデメリットが存在します。
下記でデメリットを紹介しますので、バルコニーにする理由がハッキリするでしょう。
①雨漏りのリスクがある
一条工務店のパラペットルーフは『FRP防水加工』がされています。
FRP防水は、液状の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加えて混合し、この混合物をガラス繊維などの補強材と組み合わせて一体にした塗膜防水です。
従って出来上がった防水層は強靭で継ぎ目のないシームレスな層となり、優れた防水性能を発揮します。
出典:FRP防水工業会(FBK)
FRPは船などに使われるほど軽量で耐久力がありますが、表面を保護しているトップコートは紫外線に弱く、劣化により防水性が低下していきます。
なので、10年~15年毎にトップコートを再塗布するなどメンテナンスをしないと、雨漏りをしてしまう可能性があると言われています。

バルコニーもFRP加工をしているよ。
②屋上として使用できない
パラペットルーフは昇ることができません。
厳密に言えば窓から無理やり立ち入ることは可能ですが、手すりや柵があるわけではないので大変危険です。
バルコニーと違い、タイルやWPCが無くFRP加工の床なので、肌触りも非常に悪いです。
メリットは何一つないので絶対に止めておきましょう。

子供みたいなことしないでね。

そんなことしないよ・・・。
③エアコンの室外機が設置不可
一条工務店のパラペットルーフは、室外機を設置することができません。
バルコニーとは構造的に同じなので、物理的に設置すること自体は可能だと思いますが、公式では設置不可となっています。

固定するために穴を空けると性能が落ちたりするのかな?
2階の居室にエアコンを設置する場合は、1階部分に室外機を置く必要があるため、配管代や引き下ろし費用が余分に掛かってしまいます。
見栄え対策の配管カバーも高いですからね。
バルコニーなら室外機問題は解決することができますよ。
バルコニーのメンテナンス方法と費用は?

パラペットルーフよりバルコニーの方が良いこと分かったと思います。
とは言え、最終的には施主様の好きな方を選び、リスクを受け入れるしかないとは思います。

でも結局バルコニーもメンテナンスは必要じゃないの?
もちろん、バルコニーもメンテナンスをする必要があります。
しかし、バルコニーの広さや位置によっては、メンテナンスの際に足場を組まなくても良くなる可能性もあります。

足場台で8万くらいするみたい…。
それにパラペットルーフとは違い、劣化状況をこまめに自主点検することもできるため、建物に深刻なダメージを与える前に雨漏りをする前に気付くことができます。

建物内部に水が入るとカビや腐食の原因になるよ。
ちなみに、目視でのチェック方法を一条メンテナンス部の方に聞いたので、皆さんにご紹介します。
チェック方法は下記2点です。
- 玄関の軒天でシミになっている部分が無いか
- バルコニーの手すりの根本(壁の立ち上がり部分)のグレーの塗装がポロポロ剝がれていないか
まず、1点目の『玄関の軒天でシミになっている部分が無いか』ですが、こちらは発見したら既に雨漏りをしている(劣化している)ということなので、すぐに一条メンテナンス部に依頼しましょう。
更に建物内部まで雨漏りしないように、早めに補修することが重要です。
2点目の『バルコニーの手すりの根本(壁の立ち上がり部分)がポロポロ剝がれていないか』ですが、下記写真の部分になります。

このグレーの部分とタイルの下にトップコート(撥水処理)をしているため、この部分の塗装が剥がれてきている=タイルの撥水性も無くなっているということになります。
メンテナンスに掛かる費用は?
メンテナンスに掛かる費用ですが、「バルコニーで足場を組む必要がないから安い?」と思いたかったですが、そんなことはありませんでした。
と言うのも、ベルコニーのメンテナンスで一番高いのが『撥水加工』とのことで、足場を加えたらもう少し上乗せされるとのことです。
気になるその費用ですが、まず我が家のバルコニーをご覧ください。
だいたい4.5畳くらいの広さです。(赤字で囲ってあるのは無視してください)

メンテナンス費用は、この広さで『約35万円』でした。
……想像より高いですか?安いですか?

15年で35万なら月々約2000円貯金すれば良い!

積み立てておければ良いけど…。
とは言え、一条メンテナンス部が言うには『撥水性は10年程度で落ちるものではないので、20年くらいは持ちます』とのことでした。
20年で35万なら安い方ではないかなとは思いますね。
バルコニーの床材はタイルかWPCどっちが良い?
バルコニーの床材は2種類あり、
- WPC……人工木で優しい風合い
- タイル……シックな見た目
があります。
WPCは人工木でできたパネルで、バルコニーに敷き詰めることで、所謂ウッドデッキのようになります。
見た目が良いため選ぶ人が多い印象です。
約10年前に商品として選択できるようになり、まだ歴史は浅いです。
WPC (Wood Plastics Combination)とは、天然木にプラスチック樹脂を注入・充填したDAIKENの商品で、『人工木』と呼ばれています。
タイルはシンプルなグレーのタイルです。
肌ざわりとしては意外と良く、ザラザラではなくツルツルに近い感触です。
さて、結論ですが、個人的にはWPCの床材はオススメしないです。
というのも、最初は見た目が良いかもしれませんが、やはり屋外なのでどうしても汚れます。
タイルは雨が降ったら綺麗になっていきますが、WPCタイルはしばらく放置すると黒ズミが出来たりしていくのです。

我が家は2年間1度も掃除してないよ。
また、WPCの下はFRP加工された床になりますが、WPCの目地に落ちたゴミがFRP加工の撥水性を落として、撥水性の寿命を少なくする可能性もあります。
そして、WPCは熱で歪む可能性があるのです。
最近の夏は異常に暑いため、その可能性も高いと思います。
とは言え、一番の理由は『めんどくさい』からですが。
我が家は洗濯物が室内干しなので、バルコニーに出る機会なんてほとんどありません。

家の掃除で大変なのにバルコニーなんてやりたくない!
まめな性格で月1回(少なくても半年に1回)ほど、WPCパネルを剥がして掃除できる人は選んでも良いですが、できない人はタイルにしておきましょう。
これは一条メンテナンス部の人も言っているくらいです。

普段掃除する人が決めようね。
ちなみに、メンテナンスの際にはタイルとWPCを全て剥がし撥水加工を施します。
剥がしたタイルやWPCは再利用不可で、必ず新品が付きます。
『WPCの方が剝がすのが簡単だから安い?』と質問しましたが、料金はどちらも変わらないそうです。
バルコニーで迷った時は?

ここまで読んでいただいて分かる通り、バルコニーの『いる・いらない』の正解が家庭によって変わります。
そして厄介なのが、バルコニー単体の話ではなく、『間取り・総二階ルール・室外機・メンテ費用』までセットで決まってしまうことです。

だから悩むんだよね。
『削ると後で困る』けど『残すと無駄になる』って。
ここで後悔を減らす方法はシンプルで、自分たちの条件を入れた間取り案を複数見比べることです。

設計担当から間取りは貰ってるよ?

そうだよね。
でも、1社だけの提案だと『それが普通』って思い込んじゃうんだよね。
たとえば、次の条件はハウスメーカーによって提案のクセが出やすいので、比較すると差が一気に見えます。
- バルコニー vs パラペットルーフ(見た目と実用のバランス)
- 室外機の置き場(配管距離と見栄え)
- 1階を広くしたい時の逃げ道(総二階ルール対策)
- メンテ費用の考え方(足場の要否・点検しやすさ)
- 屋外コンセントや散水栓の位置(後付け不可の盲点)
「自分の希望を入れた間取り案」が一度揃うと、打ち合わせの内容が一段階上がります。
判断が『気分』から『比較』に変わるので、結果的に迷う時間が減ります。
設計担当が『結婚してるか』『子供がいるか』によっても、間取りに対する目線も大きく変わってきてしまいます。
もし今、間取りが固まりきっていないなら、タウンライフ家づくりで「間取り提案」と「資金計画」をまとめて取り寄せて、比較材料を先に作っておくのが効率的です。

一条工務店はガチガチにルールに縛られているから、設計担当からアイデアが出ることはほぼ無いと思った方がいいよ。
普通は他社で契約している場合、間取り図なんて描いてもらえません。
ですが、タウンライフ一括間取り依頼を活用することで、既に契約済みでも『間取りアイデアのためだけに』依頼することが可能なのです。
▼実際に使ってみた記事がこちら。

すごい!ホントに貰えるんだ!
タウンライフの要望欄には、この記事で気になった内容をそのまま書けばOKです。
例としては、
- 1階完結型寄り
- 2階の室外機置き場
- バルコニーは採用するならメンテ費用も含めて検討したい
- 屋外コンセントと散水栓の位置も提案してほしい
などなど、『あなたが欲しいと思った間取り』の要望を書いていきましょう。
『希望を反映した間取り案』が手元に揃うと、打ち合わせの質が一気に上がります。

勧誘とかされたら面倒臭いんだけど…。

大丈夫。
『やり取りはメール希望』と書けば勧誘もないよ。
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バルコニーの活用事例は?

バルコニーは、1階部分を増やした結果、2階部分の金額を払う状況を避けるために使うということが分かりましたね。
しかし、ただバルコニーを遊ばせておくのももったいないですので、我が家はこんな使い方をしています。
我が家の活用事例は?
バルコニーを使わない期間が1年間ほど続いた時、やっと重い腰を上げてバルコニーを使おうと思いました。
それがこちらです。

はい、イルミネーションをつけることにしました。

・・・ん?
これはバルコニーを使うんじゃなくて、手すりだけ使ってるんじゃ…?
・・・やはり、寒くなってきたらイルミネーションの時期ですよね。
僕も子供の頃すごく憧れがあって父親に買って!とせがんだものです。

今回はこちらの『つららタイプ』を2セット購入することにしました。
5mの長さがあるのに結構小さな箱に収まっていて不思議だと考えていましたが、開封したら納得のいくぎゅうぎゅう具合でした。
写真を撮り忘れたのが悔やまれます。

ほどくのが結構大変だったよ・・・。
そんなこんなでほどき終わり、イルミネーションの電源を屋外用コンセントに繋ぎ、フェンスに固定していきます。
ちなみに、イルミネーションとイルミネーションは連結可能です。

バルコニーを作るときは、必ず『屋外用コンセント』と『散水栓コンセント』を付けておきましょう。

これは『あったら便利』じゃなく『ないと困る』から必須だよ!
『屋外用コンセント』と『散水栓コンセント』に関しては、後付けすることができません。
イルミネーションや高圧洗浄機、スポットクーラーなど、電源を使うものは多いです。
水栓もバルコニーの掃除などで必要になります。

家づくり中は減額しか考えられないと思いますが、後々考えるとそこまで高額ではないし、無かったら代用できるというものではないので、必ず付けておくようにしましょう。
そんなこんなでフェンスに固定したのがこちら。


明るい状態で見てもあまり感動はないですね。
作業時間は2時間半ほどで、なかなかに疲れました。

折り畳まれてた電球の線を伸ばすのが一番疲れたよ・・・。
それでは夜撮った写真をご覧ください。


ふむ、なんか画像で見るとショボいですね。
いや、リアルで見ても意外とショボかったのですが…。
本当はバルコニーの手すり全てにやるつもりだったのですが、『つららタイプ』が思ったより短かったので、2列にしたのが原因ですね。
追加であと2セット購入を検討しようと思います。
とは言え、子供は喜んでくれたので良かったです。

写真で取れないくらいはしゃいでくれて、腕がブレちゃってますね。
イルミネーションのフラッシュパターン(点灯方法)も6パターンくらいあって気分で変えられるのが良いですね。
将来的には、カーポートにもイルミネーションを付けようかなと考えていますので、付けたらまた皆さんにご紹介します。
まとめ
バルコニーの実際の使い心地や付けた理由をご紹介しました。
どうせ使わないと思っていても、エアコンの室外機を置いたりなどで使い道があります。
パラペットルーフとバルコニーの値段が同じなら、『できること』が多いバルコニーを選ぶ方が合理的な考え方ではないかなと思います。
まぁ結局は好みですし、最終的に決めるのは皆さんの気持ち次第と言うところではあります。
どんな選択になっても後悔だけはしないように、しっかりと検討するようにしてくださいね。
▼家づくりに役立つオススメ最新情報はこちら。
