季節が移り、過ごしやすい気候となってきました。
私達も過ごしやすいですが、動物や虫などの他の生き物にとっても過ごしやすいみたいで、家の周りにアシナガバチが活発に飛び回っているので困ってしまいます。
しかし、ハチなんかと比べてもっと家に危害を加えてくる存在がいます。
それが木造の天敵である「シロアリ」です。
実は木造だけではなく、コンクリートや鉄骨など目の前にある全ての物を噛み砕く性質を持っている害虫ということは知っていましたか?
今回はその厄介な害虫であるシロアリの生態と点検・予防方法をご紹介しますので、家を守るために対策を行ないましょう。
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シロアリの生態とは?
シロアリの生態を知ることで対策に役立てましょう。
まず、日本には現在20種類ほどのシロアリが生息しており、その中で建物に被害を与える代表的なシロアリが、
の2種類です。
それぞれ詳しく紹介します。
ヤマトシロアリ
ヤマトシロアリは北海道北部を除き、ほぼ日本全土に生息しており、侵食箇所が巣を兼ねているので、適当な場所と餌を求めて集団で移動します。
湿った木材や土の中で生活し、土台や床束、大引き、根太などの建物下部を侵食します。
乾燥に弱いとされていましたが、近年の研究で水を運ぶことで、ある程度の乾燥した木材でも生活できることが分かりました。
分布図はこちらです。
イエシロアリ
イエシロアリは、神奈川県以西の海岸に沿った温暖な地域に生息していますが、近年の温暖化傾向により、以北の地域にも生息するようになりました。
地中や建物に巣を作り、半径100mもの広範囲で餌を探し回ります。
一つの巣に数十万~数百万匹が生息する上に、乾燥した木材でも湿らせながら侵食するため、被害は建物全体におよぶ重大なものになります。
分布図はこちらです。
シロアリの一生は?
シロアリは社会性昆虫で、女王・王、副女王・副王、働きアリ、兵隊アリなどの階級があり、それぞれ仕事を分担して生活しています。
分かりやすく言えば、
王族・・・女王・王、副女王・副王
兵士・・・兵隊アリ
平民・・・働きアリ
と、中世時代の人類のような社会性があるのは驚きですね。
シロアリの一生ですが、
- まず違う巣から飛び立った雌雄がカップルとなり、新たな巣を作り女王と王になります。
- 寿命は10~15年と長く、一生のうちに100万個以上の卵を産みます。
- 卵から孵ったシロアリの90~95%が働きアリとなり、2~3%が兵隊アリとなります。
- 残りの数%がニンフと呼ばれ、副女王と副王として育てられます。
- そしてある程度巣が大きくなって数が増えてきたら、群飛期と呼ばれる時期に羽アリとなり新たな巣を作るために一斉に飛び立ちます。
この繰り返しで生息域を広げてきています。
シロアリの被害を防ぐには?
一般的に木造住宅におけるシロアリによる被害の総額は、全体で見ると火災による被害よりも多いと言われており、住まいの災害として非常に深刻です。
基礎の防蟻工法や木材の防腐防蟻処理を行なっていても、施主の生活次第ではシロアリが発生してしまう可能性があります。
シロアリ被害を防ぐには、シロアリが活発化し始める4月~10月頃に、住宅外部の基礎、玄関、勝手口、お庭周りなどの定期点検を行いましょう。
シロアリの侵入を防ぐポイントは?
シロアリの侵入を防ぐには、侵入経路を把握することが大切です。
シロアリは蟻道の中を往来して建物に侵入します。
また、イエシロアリは地中の巣から蟻道を100mほど伸ばして探し回り、1集団で100万匹以上で行動すると言われているため、侵入された場合の被害は甚大なものとなります。
ポイント①建物の周辺に木材や紙類を長期間放置しない
庭や軒下に放置してある木材や紙類でシロアリが発生するケースが多くみられるため、長期間放置せずに廃却するようにしましょう。
ポイント②切り株や10年以上経過した古木を放置しない
シロアリは古木や枯れかかった樹木を好み侵食し、巣を形成します。
もし庭などの敷地内にある場合は根元から撤去するようにしましょう。
ポイント③基礎の周りに植木鉢やゴミなどを放置しない
基礎の周りに長期間障害物を置くと、陰になった部分にシロアリが蟻道を作り建物内に侵入する可能性があります。
基礎の周りに植木鉢を置いているお宅も多いですが、シロアリ対策のために止めることをオススメします。
ポイント④建物に隣接した物置、倉庫などを作らない
建物に隣接した物置や倉庫などを作ってしまうと、床下の風通しが悪くなり木材が腐る原因となってしまいます。
また、蟻道の点検も困難になってしまうので注意しましょう。
シロアリの点検方法は?
シロアリの侵入を防ぐには普段から基礎などの点検をして、上の写真のような蟻道を発見することが大切です。
蟻道とは字のごとく「アリの道」のことで、シロアリが土や排泄物・食べカスで作った「餌場へ向かうトンネル」のことです。
なぜわざわざ作るかというと、シロアリが光や乾燥を嫌うため「蟻道」という地中から餌となる木材までの道路としてトンネルを作り、その中を行き来します。
この「蟻道」の発見がシロアリ被害を防ぐことに繋がるのです。
ここからは具体的な点検方法を紹介します。
①外部の基礎周りを調べる
基礎の立ち上がり部分に「蟻道」や「不自然な土・木粉」がないかを点検しましょう。
特に玄関ポーチ周りやウッドデッキなど、基礎が陰になる場所は懐中電灯などを使用して入念に調べましょう。
基礎に密着させてゴミなどの障害物を置いていたら要注意です。
②地面に面しているウッドデッキなどの足元を調べる
地面近くの木材は湿っていることが多いので、定期的に確認するようにしましょう。
マイナスドライバーを押し当てて、パキパキと簡単に表面が剥がれたら侵食されている可能性があります。
建物周辺に木材や古木が放置されている場合も同様に確認しましょう。
③玄関・勝手口の周辺を点検する
玄関・勝手口の床(タイル・モルタル部分の壁際)や、上がり框の下、シューズボックスの中などに「蟻道」や「不自然な土・木粉」が落ちていないかを懐中電灯で入念に確認しましょう。
④クモの巣に羽がついていないか
巣立ちして外に飛び立った羽アリは、着地した後に不要になった羽を自ら落とします。
吹き溜まりに羽が積もっていたり、着地前にクモの巣に捕らえられて羽だけが残っていることもあります。
このような光景を目にしたら要注意です。
まとめ
家の天敵である害虫「シロアリ」についてご紹介しました。
ゴキブリやハチなどに比べても被害金額が大きいですし、見つけた時には既に柱がボロボロになっていることもあります。
1匹でも見つけたら即座に対応をしないとあっという間に繁殖してしまいます。
事前点検が無料のシロアリ駆除業者も多いので、新築だからと安心せずに一度依頼をしてみてはいかがでしょうか。
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